パピコのブログ

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聲の形 3,4巻の感想

聲の形3,4巻を読みました。この巻から、将也と硝子が小学校時代のクラスメイトたちと再会します。

 3巻では、佐原と植野に再会します。佐原は、小学校のとき硝子と仲良くしていたことをきっかけに「偽善者」というレッテルを貼られてしまい、不登校になってしまいます。佐原は、高校生になり一回りも二回りも大人になっているように感じました。耳が聞こえないことを特別視するのではなく、普段通り振る舞うことが、佐原自身が小学生のときに悩み、導き出した答えだったのです。このマンガだと結構さらっと描かれていますが、いじめられっ子をかばいいじめられてしまった子が、 そのいじめられっ子と笑顔で再会するっていうのは、互いの複雑な思いを消し去る印象的なシーンでした。

4巻では、さらに川井とも再会し、その再会した面々も含めて遊園地に出かけることになります。そこで将也が一番会いたくなかったであろう島田に出会います。そこでそれぞれの思いが交錯します。特に植野の気持ちが少しずつ表れます。植野は、小学校のときの自分を客観的に分析し、今自分がとり得る最善の行動を硝子に提案します。しかし、「私は私が嫌い」と言って全てを自分のせいのように振る舞う硝子を結局認めることはできませんでした。

4巻では、硝子と結弦の祖母であるいとが亡くなってしまいます。いとは、硝子の一番の理解者で硝子はもちろん、硝子の母八重子と弟の結弦を支えていました。そんないとが亡くなってしまい、八重子と結弦は悲しみの中にいました。けれど、彼らは、もう一人ではなかったのでした。硝子を含め西宮家を将也たちは、少しずつ支え始めていたのでした。また、将也は少しずつ人の気持ち思い行動できるように成長し始めていました。

生まれたときは親に支えられ、だんだん友人や恋人に支えられるようになり、いつしか自分の子に支えられるようになる。そんなことを思いました。