パピコのブログ

本、漫画、アニメの感想など。

GWの記録

ゴールデンウィーク明けで気落ちしてしまったので、ブログ更新で気持ちを整理します。

はじめに

GWは休まず研究を続けようかなと思ってしました。

でも、折角の休みなので研究室には行かずのんびりすることにしました。

どこか旅行に行く予定もなかったので、まずはテレビゲームとお別れしました。

テレビゲームとの別れ

過去記事でテレビゲームをやめることを宣言していました。 

student-papiko.hatenablog.com

 宣言した割にその後もゲームをすることがありました。

そこで思い切ってゲーム機本体を売ることにしました。

過去記事でも書いたとおり大学生になってPS3PS4を次々買いました。

高校までは、テレビゲームを持っていなかったので、テレビゲームには憧れがありました。

4年間で楽しいゲームをたくさんできました。

特に、「ラスト・オブ・アス」というゲームが一番お気に入りです。

 

PS3PS4は、ブックオフで売りました。

今まで楽しいゲームをありがとう。 

 

ゲームを売り暇になったので、アニメや映画を見たり、本を読んだりしていました。

GWで見たアニメ

ソードアート・オンライン

MMOあるあるを散りばめながらも緊張感を持たせる巧みなストーリーのお陰でリアリティがあり、そしてキリトにみたいになりたいと年甲斐もなく思ってしまいました。

 

 

ソードアート・オンライン2」

 

 前作よりはペースダウンしているような気もしたが、週末治療にバーチャルMMOを用いるというのに思いがけず心動かされました。

健康なのにゲームに現実逃避する人もいれば、僅かな余命をせめてゲームの中で健康に楽しく過ごそうとする人いる。

悲しい話のようだが、絶望的な現実世界から人の心をわずかでも救うことがゲームでできるのなら、とても素晴らしいですね。

 

GWで見た映画

インターステラー

 荒廃していく地球から人類移住を実現させるため、科学者が密かに計画を立てるもそれぞれの思惑が交錯し、一筋縄に計画は進まない…

人類にとって真に大切なものが何なのかを考えさせられる映画だった。

「個人」「人類全体」「家族」?

人類は最後に何を選ぶのか。

 

「イミテーションゲーム」

第2次対戦時にドイツが用いた暗号「エニグマ」の解読に挑んだ数学者「アラン・チューリング」のお話。

工学部の自分は、「チューリングマシン」 というのをなんとなく聞いたことがありました。

戦争を勝利に導いた英雄でありながら、その功績は公開されることがありませんでした。

自分も曲がりなりにも工学を志す者なので、とても興味深い作品でした。

 

ソーシャルネットワーク

マークザッカーバーグフェイスブックを立ち上げるお話です。

映画は、仲間内での関係やザッカーバーグの孤独みたいなの描こうとしています。

しかし、自分は単純にザッカーバーグの才能や集中力に魅了されました。

動機が不純であってもザッカーバーグは、自分の才能を最大限に発揮し、大きな成果を挙げたの事実です。

自分も才能を最大限の集中力を発揮し小さくてもいいから成果を挙げたいです。 

 

GWで読んだ本

「何者」

人生の中で一番おもしろかった映画を聞かれた真っ先に「桐島、部活やめるってよ」を挙げます。

その原作の著者である「朝井リョウ」の直木賞受賞作である「何者」は、就職活動をする大学生を描いたお話です。

就職活動と聞くととても耳が痛く、気分が悪くなります。

この本でも就職活動の俗物的な側面が描かれています。

一方で、自分は、就職活動を通して自分を見つめ直すことで、自分以外の人への理解も深めることができるきっかけになるでしょう。

そこで自分をさらけ出すことを恐れないようになれたなら、自分を「何者」でない自分として、自分を受け入れられるのでしょう。

 

何者 (新潮文庫)

何者 (新潮文庫)

 

 

終わりに

今でゲームをしていた時間を埋めるように映画やアニメ、本に時間を費やすことができて、とても満足でした。

でも、今でやっていたゲームの更新が来てもプレイできないのは、残念です。

そんなゴールデンウィークでした。

 

しばらく休日はないようですが、余り気張らず少しずつ研究や英語の勉強をしていこうと思います。

 

若林正恭「社会人大学人見知り学部 卒業見込」

若林正恭「社会人大学人見知り学部 卒業見込」を読みました。最近、オードリーのオールナイトニッポンを聞くようになったことと熱愛報道をきっかけに若林さんのことを少し知りたくなったので読みました。

 

 

あらすじ

人見知りであるオードリーの若林さんが社会に感じる疑問や考え方を綴ったエッセイです。

 若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた―。スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。遠回りをしながらも内面を見つめ変化に向き合い自分らしい道を模索する。 -amazon より-

日常生活でのボケとツッコミ

日常生活で物事を批評し揶揄することをツッコミ、それを受けることをボケとするなら、おそらくツッコミでいるのが心地よいでしょう。

若林さんは、人見知りで日常生活のツッコミ役を長い間担当してきました。ツッコミでいることが心地よいからです。一方で、そんな若林さんは、こんなことを考えました。

大学の学祭に参加せず、バーベキューに行かず、誕生日会を開かれるのを拒む。全部、突っ込まれたくないからではないのか? 出る杭を拒み続けて、ツッコミ続けた挙げ句、死の直前に何も楽しんでいなかったなんてことに気付く大ボケ、全然笑えない。 -p.200-

突っ込まれることを恐れて何もしないでいると死ぬとき、後悔するのではないか。ボケて突っ込まれるような人生の方が楽しいのではないか。

自分もツッコミ側の人間です。無駄に騒いだりはしゃいだりしている同年代を遠巻きに眺め批評しているような人間です。でも、最近はそうもいかなくなって来ました。というのも、勉強会や研究会で人の前で発表をする機会が増えたからです。今までは、人の前で発表するのは、苦手だからと逃げてきました。一方で、人前で自信を持って発表をできる人が同年代にたくさんいることに今になって気づきました。彼らは、自分が散々ツッコミ続けできた人でした。そんな彼らは、突っ込まれることを臆さない人たちです。それは、人の性格も大きな要因であるとは思うが、自分は、それだけではないと思うのです。ただやってこなかっただけなのです。突っ込まれることにビビり何もしてこなかった人間と勇気を持って行動してきた人間では、差ができて当然です。

そんな感じで人生をツッコミ側で過ごしてきた同年代は、おそらくたくさんいると思うのです。大学や新社会人というのは、そんな自分を変える最後のチャンスのような気がするのです。だから、少し勇気を出して行動をしてみたい。突っ込まれてもいいからボケてみたいと思うのです。

社会に参加すること

若林さんは、2008年のM1以降での身の回りの変化で、社会に参加することについてある答えを見つけます。社会に参加することは、そこまで難しいことではなかったということです。今まで若林さんは、結果を求められるのが社会だと考えてきました。でも、M1グランプリの総合2位という結果を残しても、それ自体に本当の価値がなかったのです。それは、ただのきっかけで、社会で必要とされる自分の自己ベストを更新し続けることだったのです。

これからも、結果は出たり出なかったりするだろう。だけど、自分にできることは常に過程を紡ぐことだけだ。そう。社会なんて自己ベストを更新していくだけでいいという自信さえあれば自由に参加していい場所だったんだ。 -p.219-

自分も結果が出せない歯がゆい思いを最近しているですが、案外結果というのは、重要ではなく、その取り組みまでの過程が重要なのだろう。過程というのも日々の自己ベストの積み重ねで気張る必要なんて全くなかったのです。

まとめ

なんとなく若林さんのことを知りたくて読み始めたのですが、共感できることが多く、勇気をもらえました。大きな目標よりも日々の積み重ね、自己ベストを更新を目指した今日も頑張ろう。

佐藤多佳子「明るい夜に出かけて」の感想

 アメトーークの読書芸人でも取り上げられていた佐藤多佳子「明るい夜に出かけて」を読んだので、感想を書きます。

明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて

 

ストーリー

女性恐怖症である主人公、富山が深夜のコンビニバイトや深夜ラジオを通して、人と出会い、成長していく青春物語です。

主な登場人物

登場人物を少し紹介します。女性恐怖症のせいで折角できた彼女を突き飛ばし大学で居場所を失い休学中に夜勤バイトをする主人公、富山。女子校の高校に通い富山と同様アルコアンドピースのオールナイトニッポンのリスナー兼「職人」である佐古田。富山と同じコンビニで夜勤バイトをしながらニコニコ動画で歌い手をしている鹿沢。富山の高校時代から友人で熱心なラジオのリスナーである永川。

ラジオ

本作ではアルコアンドピースのオールナイトニッポンという深夜ラジオがそのまま出てきます。自分は日頃ラジオ聞かないのでラジオの良さだったり、深夜ラジオの空気感やネタを投稿する職人だったりを全く知りませんでした。本作を読んで、オードリーのANN(オールナイトニッポン)や星野源のANN、伊集院光深夜の馬鹿力、その他ANNやJUNK(TBSラジオの深夜番組)を聞きはじめました。最初にオードリーのANNを聞いてみたらテレビのバラエティとは、違うオードリーとネタを送る職人たちとの掛け合いが癖になりました。テレビに飽き、高校時代にYouTubeにハマり、YouTubeで生計を立てるYouTuberが年々増え内容もマンネリ化してきてYouTubeが、自分にとって最近は居心地の悪いところになってきていました。そんな中で深夜ラジオにであったので、自分の知らないところにまだこんなにも面白いものがあったことに驚きました。これから深夜ラジオのリスナーの一人です。

深夜のコンビニ

主人公、富山は週5近くコンビニの夜勤バイトで働きます。友達にコンビニの夜勤バイトはいたが、その実態は全く知りませんでした。自分も大学のテストの時期とかは深夜のコンビニに行き、栄養ドリンクやらチョコやらを買って乗り越えていました。深夜のコンビニには、感謝と敬意はあるものの、バイトの彼らがどのような仕事をしているのかは知りませんでした。作中では、二人で深夜コンビニを任されレジ打ちや品出し、掃除を同時にこなします。コンビニは、リレーのようなもので朝・昼・晩・深夜とどこかでサボる奴がいるとどこかでしわ寄せがくるらしい。二人っきりで多くの仕事をこなす必要のある夜勤は、協力が不可欠だしコミュニケーションが重要になってくる。そのような環境が、富山を少しずつ変えていく。

明るい夜

この物語は題目にある通り、「明るい夜」というテーマになっています。辛くて孤独な夜。それを少し和らげてくれる存在ってなんだろう。その答えはやっぱり人です。深夜に人を感じられるが、ラジオだったりコンビニだったりSNSだったりします。自分は寝る前電気を暗くしてからスマホYouTubeを見ないと寝れません。今までなんでYouTubeを見ないと寝れないのかがわかりませんでした。でも、この本を読んで少しわかりました。このブログも誰かの明かりになったら嬉しいけど...

全体の感想

佐藤多佳子さんの作品は、すごく昔に「一瞬の風になれ」を少し読んだことがありましたが、ほとんど初めて読みました。主人公が、大学生で現代を舞台にしていることからとても感情移入がしやすく、登場人物全員、癖はあるが良い奴です。読んでいてとても清々しくなる小説でした。

光の帝国 常野物語(著者:恩田陸)の感想

「光の帝国 常野物語」を読みました。

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

 

 この小説は、連作短編小説です。内容は、常野という特殊な能力を持つ一族のお話です。常野は、日本各地に点在していて各々生活しています。常野の能力は、一口に説明できないので、ここでは説明を省きます。常野は、それぞれの能力と向き合いますが、戦時中はその能力に目をつけられ国に追われ、戦後も日常に馴染めずに悩みを抱えています。そんな常野は、互いに助け合うことで生きていきます。自分の意志と関係なく常野として生まれたことは、変えることはできません。だからこそ、常野は助けあうのです。

中盤までは、常野の説明で淡々としたお話なので退屈ですが、終盤になるに連れ物語が大きく動き出し、常野が一概に現実離れ存在ではないことに気づきます。常野の能力とその役割は現実離れしているが、能力と役割を自覚し理不尽な現実に悩むのは当たり前のことで、誰もが経験することだと思います。常野は、助け合うことでそれを克服します。

常野がそうであったように私たちも日々の生活で待ち受ける理不尽を助け合うことで克服いていくという当たり前のことをこの現実離れしているように思えたこの小説から再認識させられました。

恩田陸さんの小説は、「夜のピクニック」、「ネバーランド」を既に読んでいました。どちらも高校生の青春を描いた本作とは全く毛色の違う小説でした。そのため、本作を読み始めたときは、期待していたものと違ったので少しがっかりしてしまいましたが、最後には読んだ二作品と同様に温かい気持ちになりました。常野物語は、まだ二作あるみたいなのでまた今度読みたいです。

満願の感想

年始から読み始めていた「満願」(著:米澤穂信)を読みました。

 

満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)

 

 

米澤穂信さんは、古典部シリーズ、アニメ「氷菓」の原作者で前からこの本には興味があったのだが、なかなか読む機会がなく夏頃に文庫になったの機に購入したが、積んでいた一冊です。

本書は、計6篇のミステリー短篇が収録されています。それぞれ、独立したストーリーで短篇同士のつながりはありません。本の帯に書かれていることだが、バラエティに富んだ短篇集で新しい短篇を読むたびに新しい世界に引き込まれます。交番勤務の警察官からバングラデシュのガス開発に奔走する商社のサラリーマンまで、その物語に登場する人物は多種多様です。

その短篇の中でも1番印象に残ったのは、「万灯」というお話です。このお話は、バングラデシュのガス開発を任された主人公が、日本に光を灯すという使命感のもとバングラデシュでガス開発に抵抗する地元の長を殺してしまいます。主人公は、使命感とそれ貫いてきたプライドに囚われさらに罪を重ねていくが、最後には主人公にその罰が降りかかります。

自分は、主人公が日本に光を灯すという使命感のもと仕事を続けてきてもう後戻りできないという状況に自分を重ねてしまいました。自分は、まだ大学生ですが、今まで世のために自分の何かできることがあるのではないかと思う勉強してきた節が少しはあります。この前実家に帰省をしたときには、高校卒で就職して結婚をした友人に会いました。4月には、父親になるそうです。この話を聞いて自分の幸せについて少し思ってしまいました。家庭を持って家族を養えればそれで幸せなのではと。世のために働き疲弊していくことが幸せなのでろうかと。このお話の主人公もまた世のために働き疲弊していったのだろう。また、主人公の中で引くに引けないプライドが無自覚に生まれていったのだろう。

「万灯」は、そんなこと思ってしまい暗い気持ちになってしまいましたが、その他のお話は、純粋にミステリーらしい楽しみ方ができました。どの短篇も謎を解決ときは、なんとも言えない爽快感があります。アニメ「氷菓」をきっかけにこの本を手に取り読んでみましたが、日頃読書をしてこなかった自分でも楽しめる1冊だったと思います。

(余談)
最近は、休日を地域の図書館で過ごしています。そんな大学生は、どのくらいいるのかな。